風邪にビタミンC？ビタミンCを摂るべき3つの理由
1. 免疫
2.2型糖尿病患者の動脈血圧および動脈硬化改善
3. 皮膚の健康
こんにちは。薬剤師のJinnyです。
ビタミンCは私たちにとても馴染みのある成分で、一度も口にしたことがない人を探すのは難しいかもしれません。野菜や果物、総合ビタミン剤、さらにはコンビニで売られている飲料やアイスクリームにも含まれるほど、身近な栄養素です。特にビタミンCは「風邪に良い」と言われており、風邪の兆しがあるときに摂取する人も多いです。
しかし、「体に良いからとりあえず飲むけれど、本当に風邪に効くのか、どのように良いのか知りたい」という方も少なくありません。今日は論文を通じて、ビタミンCの作用と摂取による利点を詳しく見ていきましょう。
1.免疫
免疫には大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」があります。一般的に「免疫」と呼ばれるのは後者の獲得免疫のことです。獲得免疫は、以前に侵入した抗原を記憶（免疫記憶）し、同じ抗原が再び侵入した際に特異的に反応して効果的に排除（特異性）することで、自然免疫を補強する役割があります。
免疫系におけるビタミンCの役割について、Nutrients に掲載されたレビュー論文では次のようにまとめられています。
「ビタミンCは自然免疫および獲得免疫系のさまざまな細胞機能をサポートすることで、免疫防御に寄与する。ビタミンC欠乏は免疫力低下と高い感染リスクをもたらす。」
2. 2型糖尿病患者の動脈血圧および動脈硬化改善
2020年の大韓糖尿病学会の発表によると、韓国の30歳以上成人の約7人に1人（13.8％）が糖尿病を持つことが明らかになっています。現代人に非常に多い病気で、糖尿病の大きな問題は高血圧をはじめとした各種心血管系合併症を引き起こすことです。
2013年に Hypertension に掲載された研究では、糖尿病患者におけるビタミンC摂取が血管健康に与える影響を調べ、次のように報告しています。
「1か月後、経口アスコルビン酸（ビタミンC）が2型糖尿病患者の動脈血圧を低下させ、動脈硬化を改善することを示した。」
3. 皮膚の健康
さらに、ビタミンCは皮膚にもさまざまなメリットをもたらすことが知られています。強力な抗酸化作用により、肌をはじめとする体の老化を促進する活性酸素を抑制するだけでなく、皮膚・髪・筋肉などの構成成分であるコラーゲンの生成もサポートします。
イギリスの National Health and Nutrition Examination Survey（国民健康栄養調査）データに基づき2007年に発表された研究では、中年女性においてビタミンC摂取量と肌関連指標には高い相関があることが示されました。
今日は、体の免疫ブーストをはじめ、ビタミンCがもたらすさまざまなメリットについて解説しました。最後に、ビタミンCと風邪の関係をより直接的に知りたい場合は、2007年に発表された無作為化臨床試験を参考にすると良いでしょう [4]。
この研究では、一般人に対する予防効果は有意ではありませんでしたが、運動量が非常に多いアスリート群では、風邪の発症率を約50％以上低下させることがわかりました。また、一般人でもビタミンCを定期的に摂取した場合、風邪にかかった後の「持続期間」と「重症度」は軽減されると報告されています。
必ずしも風邪の予防や治療目的でなくても、ビタミンCは3重の機能性を持つ「必須栄養素」です。私たちの生活に欠かせない成分であることを覚えておきましょう。
体も心も健康な一日をお過ごしください。
以上、Jinnyでした。
[1] Carr, A. C., & Maggini, S. (2017). Vitamin C and Immune Function. Nutrients, 9(11), 1211.
[2] Brian A. Mullan, Ian S. Young, Howard Fee and David R. McCance. (2002). Ascorbic Acid Reduces Blood Pressure and Arterial Stiffness in Type 2 Diabetes. Hypertension, 40(6):804-809.
[3] Cosgrove MC, Franco OH, Granger SP, Murray PG, Mayes AE. (2007). Dietary nutrient intakes and skin-aging appearance among middle-aged American women. Am J Clin Nutr, 86(4):1225-31.
[4] Hemilä, H., & Chalker, E. (2013). Vitamin C for preventing and treating the common cold. The Cochrane database of systematic reviews, 2013(1), CD000980.